卓log会メンバーによるオメガ7アジア & プロの試打評価
XIOMの新たなハイエンドモデルとしてリリースされた、オメガ7アジアとオメガ7プロ。
※以下、オメガ7アジアをアジア、オメガ7プロをプロと記す。
この2枚の中でも、アジアの方は今年の世界卓球選手権スウェーデン大会において、韓国の鄭栄植と張禹珍がシェークのバック面に使用して大会に挑んでおり、日本戦で2人とも勝利するという活躍から、注目度の大きいラバーだったのではないかと思います。
すでにいくつかのブログやレビューサイトに使用感は載っていますが、ブロガーというレビューに慣れている卓人がまとめた評価一覧はまだ他にはないと思われ、是非私達のアジアとプロの評価も参考にして頂けるとうれしいです。
その卓log会メンバーによる試打評価は、Googleスプレッドシートの表でまとめたので、以下のリンクからご覧ください。
こちらを見て、小さくて見にくい、または何らかの問題で開かないなどの場合は、別途以下にまとめました。またこちらではそれぞれワンポイント解説もいれていきます。なお、評価項目はモニターキャンペーンで使用されていたものをそのまま採用し、順番は卓球歴が長い順にしていきます。(再開の場合は再開してからの年数としています。)
※卓球歴はあくまで評価における目安として見てください。
それぞれの卓球歴、試打で使用したラケットは以下の通りです。
なお、分かりやすくするためペンの人は下線を入れ、インナー系、アウター系、7枚合板使用者の色分けを以下のようにしました。
SHUN・・16年、インナーフォースレイヤーZLF(5枚合板にインナーファイバー)
かんたん・・10年、インナーフォースレイヤーZLF-CS(5枚合板にインナーファイバー)
しろーと・・8年、スワットFL(7枚合板)
リン・・5年、劉詩文(5枚合板にインナーファイバー)
貴絽・・4年、カブリオレ(5枚合板にアウターカーボン)
つじまる・・再開して3年、天極7-P2(7枚合板)
まっぽっぽ・・再開して3年、スワットカーボン(5枚合板にアウターカーボン)
それでは、評価項目ごとに簡単にまとめたものをご覧ください。特定の項目が見たい場合は、目次のところのリンクをクリック、またはタッチすると項目のところに飛ぶようにしているので是非活用してください。
アジア
ラバーの重さ
SHUN・・6
かんたん・・4
しろーと・・6(カット後50g)
リン・・6(カット後50g)
貴絽・・6(カット後50g)
つじまる・・6(グリップ1cmあけて49g)
まっぽっぽ・・6(カット後49.7g) 平均評価5.7
重量が49~50gと個体差のバラツキが非常に少ないと言えるのではないか。スポンジ硬度が52.5度で特厚としては思ったよりも軽いのはシートの薄さによるものと考えられる。
ひっかかり
SHU・・5
かんたん・・4
しろーと・・6
リン・・4
貴絽・・5
つじまる・・6
まっぽっぽ・・6 平均評価5.1
4、5、6の評価がそれぞれバランスよく分かれる評価になったが、6の評価者は7枚合板とアウター系特殊素材ラケットを使用、4の評価者はインナー系特殊素材ラケットを使用していることから、掴み系のラケットよりも弾く系のラケットの方がひっかかりはアジアの特徴が出ると言える。
スピード
SHUN・・4
かんたん・・5
しろーと・・6
リン・・5
貴絽・・6
つじまる・・5
まっぽっぽ・・6 平均評価5.3
平均評価をひっかかりと比べるとあまり差がないことから、意外とバランス型のラバーと言える。評価者で見ても、ひっかかりの方が高いのが2人(SHUN、つじまる)、ひっかかりとスピードが同じなのが2人(しろーと、まっぽっぽ)、スピードの方が高いのが3人(かんたん、リン、貴絽)と分かれた。
飛距離
SHUN・・5
かんたん・・4
しろーと・・6
リン・・5
貴絽・・4
つじまる・・5
まっぽっぽ・・5 平均評価4.9
7段階評価の中でのおよそ5は、上級レベルの下がったときのフォアで打ち合うには少し厳しい数値か。それでも、高速化が進み台との距離が近い現代ではこれぐらいの飛距離でも案外ちょうどいいと言えるかもしれない。
弾道
SHUN・・5
かんたん・・2
しろーと・・2
リン・・3
貴絽・・2
つじまる・・4
まっぽっぽ・・4 平均評価3.1
過半数が直線的、中でも2の評価が3人いるのはアジアの特徴を大きく表しているのではないか。ただ、打法によってはある程度の弧線も出せ、それによって直線的とまでは言えないこともあるよう。
打球感
SHUN・・5
かんたん・・6
しろーと・・6
リン・・6
貴絽・・7
つじまる・・5
まっぽっぽ・・6 平均評価5.9
全員一致の硬いであるが、重量のときと同様にスポンジ硬度の割には少し柔らかめの評価も見える。これもシートの薄さだろう。
球持ち
SHUN・・4
かんたん・・3
しろーと・・3
リン・・5
貴絽・・4
つじまる・・5
まっぽっぽ・・4 平均評価4
インナー系使用者(SHUN、かんたん、リン)、7枚合板使用者(しろーと、つじまる)とそれぞれの中でバラバラの評価になる中、アウター系使用者(貴絽、まっぽっぽ)が同じ評価に。総じて見ると球を持つか持たないかのラインで分かれ、ここがひっかかりとスピードのバランスの良さを出してるかもしれない。
球威
SHUN・・4
かんたん・・4
しろーと・・5
リン・・6
貴絽・・4
つじまる・・6
まっぽっぽ・・6 平均評価5
過半数が重めではあるが、3人(SHUN、かんたん、貴絽)が普通の評価に。この3人は前の評価の球持ちの評価と近いことから、球持ちを感じにくい人は球威を感じにくいことに繋がる傾向がありそうだ。
スピン量
上回転 下回転
SHUN・・5 5
かんたん・・4 4
しろーと・・5 4
リン・・4 4
貴絽・・4 3
つじまる・・6 5
まっぽっぽ・・5 5
平均評価・・4.7 4.3
先ほどのひっかかりが平均評価5.1だったことと比べると上回転と下回転のスピン量は少し低い数値に。このことから、体感的にはひっかかると感じるが実際は思ったほどのスピン量が出てないということになる。
ドライブのしやすさ
上回転に対して 下回転に対して
SHUN・・4 4
かんたん・・4 4
しろーと・・5 3
リン・・4 4
貴絽・・4 3
つじまる・・5 5
まっぽっぽ・・4 5
平均評価・・4.3 4
過半数が上回転も下回転もドライブのしやすさは変わらない評価に。やはりスポンジの硬さや打球感に慣れてない面でやりやすさの数値は高いとは言えない。
ミートのしやすさ
SHUN・・4
かんたん・・4
しろーと・・6
リン・・6
貴絽・・6
つじまる・・5
まっぽっぽ・・5 平均評価5.1
卓球歴が長い(ドライブ主戦の傾向が高い)、短い(ミート主戦の傾向が高い、またはミートの感覚の方がある)関係で分かれた形に。
台上のしやすさ
SHUN・・未記入
かんたん・・4
しろーと・・5
リン・・7
貴絽・・4
つじまる・・4
まっぽっぽ・・4 平均評価4.7
ドライブのしやすさと1人を除いて大きく違わない。こちらもスポンジの影響だろう。
まとめ
改めて、アジアの平均評価数値が高かった順に並び替えてみる。
打球感・・5.9
ラバーの重さ・・5.7
スピード・・5.3
ひっかかり・・5.1
ミートのしやすさ・・5.1
球威・・5
飛距離・・4.9
上回転のスピン量・・4.7
台上のしやすさ・・4.7
下回転のスピン量・・4.3
上回転に対するドライブのしやすさ・・4.3
球持ち・・4
下回転に対するドライブのしやすさ・・4
弾道・・3.1
メンバーの感想で多かったのが、ミートや強ドライブの感触が良く、ブロックやストップの守備的技術も注目される点だが、スポンジの硬さ故にパワーヒッター向けであり、初級者の多いメンバーには正直、厳しかった。
ラケット別で見ると、インナー系に貼ると回転と扱いやすさ、7枚合板やアウター系に貼るとスピードと球威が相乗される傾向があるため、組み合わせるラケットとも考えてアジアを選んでほしい。
プロ
ラバーの重さ
SHUN・・未記入
かんたん・・4
しろーと・・5(カット後48g)
リン・・5(カット後48g)
貴絽・・4(カット後45g)
つじまる・・6(グリップ1cmあけて48g)
まっぽっぽ・・5(カット後47.5g) 平均評価4.8
重量差が3gでて、アジアよりは少し個体差があった。プロはスポンジ硬度、47.5度に準ずるラバーの重さと言える。
ひっかかり
SHUN・・5
かんたん・・4
しろーと・・6
リン・・4
貴絽・・4
つじまる・・5
まっぽっぽ・・5 平均評価4.7
アジアの評価にも見られた7枚合板使用者の評価が高めに。バランスの中でも多少弾みよりのラケットに合う傾向がありそう。
スピード
SHUN・・5
かんたん・・6
しろーと・・6
リン・・5
貴絽・・7
つじまる・・6
まっぽっぽ・・7 平均評価6
しろーと、リンの2人はアジアと変わらず、他5人がアジアよりも評価を1つ上げた。中間硬度に近いプロの方がスポンジに食い込ませやすく、スピードを出しやすいという評価を得た。
飛距離
SHUN・4
かんたん・・5
しろーと・・6
リン・・6
貴絽・・4
つじまる・・6
まっぽっぽ・・6 平均評価5.3
スピードに続いて平均評価がアジアを上回る好評価。こちらもスポンジの食い込ませ部分が要因だろう。
弾道
SHUN・・3
かんたん・・4
しろーと・・3
リン・・4
貴絽・・2
つじまる・・3
まっぽっぽ・・2 平均評価3
前回のアジアから評価を2つも落とした人が2人(SHUN、まっぽっぽ)、逆に2つも上がったのが1人(かんたん)と、打法によって評価が大きく分かれる形に。全体的に見ても弾道が上がった評価者は3人(かんたん、しろーと、リン)、変わらないは1人(貴絽)、下がったは3人(SHUN、つじまる、まっぽっぽ)と、スポンジ硬度がアジアより柔らかいと言え、突き刺さる系の直線弾道はあくまで変わらない評価になった。
打球感
SHUN・・3
かんたん・・6
しろーと・・4
リン・・3
貴絽・・6
つじまる・・5
まっぽっぽ・・4 平均評価4.4
中間硬度に近い故に、使用ラケットや普段の使用ラバー、好みなどで大きく分かれる形に。これといった傾向は見られない。
球持ち
SHUN・・4
かんたん・・3
しろーと・・3
リン・・5
貴絽・・4
つじまる・・5
まっぽっぽ・・4 平均評価4
なんと、アジアの評価と全員全く同じに。スポンジ硬度の違いだけでは球持ちは変わらないこともあるという、卓球レビュー始まって以来の新事実かもしれない。
球威
SHUN・・4
かんたん・・3
しろーと・・3
リン・・5
貴絽・・4
つじまる・・6
まっぽっぽ・・5 平均評価4.3
前の球持ちと同じ数値の評価が上の5人、下の2人が1つ評価を上げた。球持ちと球威の関係性もあるかもしれない。
スピン量
上回転 下回転
SHUN・・5 5
かんたん・・4 4
しろーと・・5 4
リン・・4 4
貴絽・・4 3
つじまる・・6 5
まっぽっぽ・・5 5
平均評価・・4.7 4.3
アジアでも見られた、下回転の方がスピン量が劣る傾向に。しかし、上回転の平均評価がひっかかりと同じになり、こちらはイメージ通りの回転量が出せてるのではないか。
ドライブのしやすさ
上回転に対して 下回転に対して
SHUN・・4 4
かんたん・・4 4
しろーと・・5 3
リン・・4 4
貴絽・・4 3
つじまる・・5 5
まっぽっぽ・・5 5
平均評価4.4 4
アジア同様、上回転に対しても下回転に対してもドライブのしやすさは大きく変わらない評価に。ここだけインナー系使用者はアジアもプロも完全に同じ評価。
ミートのしやすさ
SHUN・・2
かんたん・・4
しろーと・・6
リン・・6
貴絽・・6
つじまる・・6
まっぽっぽ・・6 平均評価5.1
アジア同様、ドライブ主戦とミート主戦で大きく評価が分かれた形に。平均評価も同じになり、しやすさの点では変わらないと言える。
台上のしやすさ
SHUN・・3
かんたん・・4
しろーと・・5
リン・・7
貴絽・・3
つじまる・・3
まっぽっぽ・・3 平均評価4
3の評価者が過半数、少しやりにくい傾向がある評価に。アジアより少しスポンジに食い込む分、ボールが飛んでコントロールに難があると思われる。
まとめ
改めて、プロの平均評価数値が高かった順に並び替えてみる。
スピード・・6
飛距離・・5.3
ミートのしやすさ・・5.1
ラバーの重さ・・4.8
ひっかかり・・4.7
上回転のスピン量・・4.7
打球感・・4.4
上回転に対するドライブのしやすさ・・4.3
下回転のスピン量・・4.3
球威・・4.3
球持ち・・4
下回転に対するドライブのしやすさ・・4
台上のしやすさ・・4
弾道・・3
ミートのしやすさがアジアより劣るということもなく、さらに評価項目にはないがブロックが好感触という声が多く、バランス型、バック向きと、アジアより多くの人が使える要素を満たしているのではないか。こちらのお勧めはインナー系よりは少し弾む7枚合板やアウター系ラケットに貼ることでバランスと飛びを合わせた組み合わせになるので、安定と決定打を両立したい人は是非考えてほしい。
おわりに
最後まで目を通していただきありがとうございます。今回、初めてこのような形式で記事を書き、なるべく見やすいように努力しましたが、見づらい、分かりにくい、長い(約5600字)など多々あると思います。今後、同じような記事を書くことがあればさらに見やすく、分かりやすくコンパクトにまとめるように工夫していきますので、よろしくお願いします。評価の点など、何か疑問に思う点がありましたらコメントしていただければ担当の者が答えますので、気軽にコメントしてください。